中学受験っていくらかかるの?
今回は中学受験をしたら教育費はいくらになるのか、という疑問に答えていきます!!
中学受験をするには、実際に受験をするための受験料、合格した後に学校に納入する入学金・授業料の他に、準備期間中に塾の授業料や教材費も発生します。
結構かかるのだろうな…と予想はしつつも、どのタイミングでいくらかかるのか、必須の費用と選択できる費用があるのか、行政からの補助はあるのか?……などなど、私もなんとなくだった知識をまるっとまとめてみました!
①【必須!】受験料・入学金
⚫︎受験料
私立中を受験するには受験料が必要です。受験料の払込は出願と同じサイトで、オンライン決済できるところがほとんどです。
オンライン決済は、銀行振込(ペイジー)、クレジットカード決済、コンビニ払込みが選択できることが多かったです。
受験料の相場は、2.5〜3万。
総額は、首都圏だと3〜7校程度出願する子が多いので、@2.75万円だとすると8.25~19.25万円となります。
わが家の場合は、5校受けて、受験料で約14万円かかりました。1校平均2.8万円でした。
⚫︎入学金
合格をいただいたら、当日〜数日中に納入するのが入学金です。入学金の納入をもって、入学の意志を示すことになります。
入学金の相場は約30万円。25〜35万円が多いです。
気になるのは、入学金を支払いをいつまで待ってくれるか?だと思います。
次男が受験した学校の入学金の納入期限を書き出してみました。
- 1月校 A 2/10 16:00
- 2月1日午前校 B 2/4 12:00
- 2月1日午後校 C 2/6 16:00
- 2月2日午前校 D 2/4 14:00
- 2月3日午前校 E 2/4 16:00
1日午前校、2日午前校、3日午前校は2/4までに締め切っています。一方、国立・都立の発表は2/5~2/9。合否を聞いてからでは納入が間に合いません。
国立、都立、県立など公立校が第一志望の場合は、どこかしら私立の1校には入学金を納入して合否を待っているものと思われます。辞退をしても入学金は返ってこないことがほとんどですが、学校によっては延納、返納がありますので募集要項などで期限や条件を確認しておきましょう。
私立の入学金の納入スケジュールは、ほぼ偏差値表の上から順に期限が来ます。私立のみ受験の場合は、志望順位が最も高い学校1校のみに入学金を支払っているケースが多いと思われます。
ただし、2月4日以降に志望順位の高い私立の2回目、3回目の受験に挑戦する場合は、すでに合格をいただいている学校に入学金を支払って4日を迎えているパターンも考えられます。(たとえば渋渋や聖光学院など)
というわけで…
受験料+入学金で2023年入試でかかった金額は、約45万円でした。塾の授業料の支払いが12月に終わったと思ったら、すぐにこの金額がかかってきたので、結構いたたたた…という感じでした。
そして、入学後はすぐに授業料の納入があります。次のセクションでは授業料やその他の学費の相場を見ていきましょう。
②【必須!】学費・授業料
学費は学校によって差があります。学費一覧のサイトがありますので、確認してみてください
東京都の私学の
初年度の納入学は、平均132万円、中央値129万円
6年間の目安は、平均584万円、中央値578万円
となりました。(1万円以下、四捨五入です)
⚫︎初年度の費用の発生時期
初年度の費用はわが家の場合、下記のタイミングで徴収されました。
- 2月 入学金
- 4月 前期授業料+施設・設備費+各種会費+教育充実費
- 9月 後期授業料
2月と4月が結構近いタイミングで費用が発生するな…という印象でした
⚫︎学費の内訳
入学金を除き、学費と呼ばれるものの内訳は下記になります。
- 【学校】施設・設備費
- 【学校】教育充実費・実習費
- 【学校】諸会費(PTA・生徒会)
- 【学校】教材費
- 【学校】行事費
- 【学校】修学旅行費
- 【学校】寄付金
- 【用品】制服代
- 【用品】指定用品代(コートや学用品)
- 【用品】指定デバイス(PCやiPad)
- 【学校生活】給食費、学食費
- 【学校生活】交通費
- 【学校生活】部活動費
- 【その他教育費】塾、オプション講座費
中学1年生のわが家の息子の教育費の割合をグラフに表すとこうなりました。
*用品代(制服・指定用品・指定デバイス)、学校生活代(給食・学食・交通費・部活動費)はまとめてあります
*寄付金は除きました
入学金・授業料・教育充実費・施設設備費・諸会費までの学校に納める金額が7割、
用品代・生活代・塾など、学校に納める以外の教育費が3割、
といった結果になりました。
中学〜高校までの6年間を試算すると下記のようになります。塾代は現在高校2年の長男の塾代を参考に計算しています。
高校1年生から大学受験のため、本格的に塾に通うことを想定したパターンです。
このグラフには実は足りないものがあって…高3に大学受験の受験料や入学金を足していません。「ここからまだ増えるの!」という感じですが進学校の場合には考えておかなければいけないですね。
私立の授業料だけではない学費。安心して通学出来るように、備えておきましょう。
参考:
・市進中学受験情報ナビhttps://www.chu-jukennavi.net/cnavi04.html
・学費が安い私立中ランキング(こちら興味深いのですが何を合計したのかが不明で、実際に学用品などを含めると順位が違う可能性があるので注意してご覧ください)https://www.study1.jp/kanto/special/rank_fee/
・「知らなかった」では済まされない私立中学入学後、本当にかかるお金https://eduzukan.jp/jhs/484/article/10276
③【準備期間】塾費用
中学受験の準備は塾に通うことが一般的です。
塾は集団塾(大手はサピックス、日能研、早稲田アカデミー、四谷大塚、グノーブル、浜学園、希学園、栄光ゼミナールなど)と、個別塾(Thomas、個別教室のトライ、プロの家庭教師の名門会、東京個別指導学院など)に分けられ、集団塾のほうが費用が抑えられます。
なぜなら塾の値段というのは人件費により上下するからです。先生方がたくさんの生徒を一度に教えるほうが価格が低い、というのが基本的な価格の考え方になります。
中学受験準備のための4〜6年生、3年間の塾代は平均して、約269万円*と言われています。
参考:*Benesse『中学受験パーフェクト・ガイド』(資料請求時にいただける小冊子)
●4~6年の塾費用
私が2023年1月に調べたときは各大手塾に4〜6年で通塾した場合、下記の通りでした(授業料に加え、通塾に必要なテキスト代、諸経費、テスト代を含む。季節講習をすべて受講。4科受講の場合)。
- 早稲田アカデミー 約318万
- 四谷大塚 約274万
- SAPIX 約272万
- 日能研 約251万
この4塾の平均は279万。先ほどの269万と近しい金額になりました。(注:サピックスでは来年から月額授業料が調査時点より値上げという情報も入っているので、他塾も上記より値上げが予想されます)
気を付けたいのは季節講習費やテキスト代もきちんと加えて計算すること!ホームページに記載されている月額授業料×12ヶ月だと全然足りませんので注意しましょう!
●1~6年の塾費用
塾に1〜6年に通塾した場合、下記の通りでした(授業料に加え、通塾に必要なテキスト代、諸経費、テスト代を含む。季節講習をすべて受講。早稲田アカデミーとSAPIXは3年から4科、四谷大塚と日能研は4年から4科)。カッコ内は1〜3年の合計。
- 早稲田アカデミー 約397万(約79万円)
- SAPIX 約354万(約82万円)
- 四谷大塚 約345万(約71万円)
- 日能研 約299万(約48万円)
こう見ると6年間の塾費用総額の80%は高学年。低学年は安く見えます。とはいえ、その後には中高の学費が控えていますから、溜め時と考えてなるべく節約するという考え方もあると思います。
④【準備期間】個別指導
中学受験の準備として、個別指導の利用を検討されている方もいらっしゃると思います。
個別指導は集団指導よりも高額になるという点は前のセクションで書きましたが、一体いくらになるのでしょうか。
大手塾は系列の個別指導塾を持っています!
その中で下記3塾の指導料を調べました。
- PRIVATO(プリバート):サピックスの個別
- 早稲田アカデミー進学館:早稲田アカデミーの個別
- 日能研ユリウス:日能研の個別
2023年2月の調査時点でおよそ、
- 5年生 個別指導1コマ約8,500円
- 6年生 個別指導1コマ約9,500円
1コマの時間はプリバート60分、早稲田アカデミー進学館とユリウスが90分。コマ数を増やすと単純に金額が増えていきます。
年間1コマを個別マンツーマン(1対1)で受講すると年間52週を掛け算すると約44万〜50万円。
集団指導と時間数では単純に比較できない点もありますが、サピックスの5年生の授業料は月53,900円。授業時間は30時間(2023年11月)。1時間あたり約1,800円です。個別指導はかなり高額であることがわかります。
中学受験の準備のための学習をすべて個別指導で受けようとすると、かなりの金額になりますので、基本は集団塾から考え、期間を絞ったり教科を絞って個別の受講を考えることをお勧めします。
⑤【準備期間】通信教育
あまり知られていないかもしれませんが、
中学受験生向けの通信教育というものもあります。
下記の3つが有名です。
- 進研ゼミ中学受験コース
- 四谷大塚進学くらぶ
- Z会中学受験コース
通信教育はどれくらいかかるのでしょうか?
結論から言うと、かなり費用が抑えられます!
4〜6年の3年間で進研ゼミは約26万円、四谷大塚進学くらぶは約53万円、Z会は約68万円
、これ1年間ではないですよ、3年間! というように、費用は4分の1から10分の1になります。
完全に通信教育のみで受験をするのは、志望する学校によってはやはり難しいと私は考えていますが、家庭のサポート、エリア、他にしている習い事によっては、新6年生になる2月までは検討の余地があると思います。
⑥【合計!】中学受験にかかる金額
というわけで、中学受験~私立中高一貫校の間にかかる学費をまとめると、約1,500万円!という結果になりました。
もちろん一気に1,500万円かかるわけではありません。
学年別に分けてみると、下記のようになります。
*入学金は6年生の教育費に入れました
*公立小・私立一貫校に通学を想定
*小3~小6は通塾、高1~高3通塾
*小1~小6は塾費用に年間6万円の書籍・その他教育費を計上
こうして改めてグラフで見ると、小6以降が高止まりしているのがわかります。
中学校以降は自分で学習していく力が、節約のためにも大事になってくるなと感じました。
⑦【検討!】節約できる費用はある?
節約できる部分はある・・・?
はい!いくつか方法があります!
紹介しますね!
節約・費用の考えどころ!
- 1) 低学年のうちの塾・習い事を減らす
- 2) 低学年~小5くらいまで塾ではなく、通信教育を検討する
- 3) 個別指導ではなく、集団塾を検討する
- 4) 5年生までは4教科ではなく2教科の通塾にする
- 5) 学校内で受験指導をしている私立中を選ぶ
- 6) 中学生の間は家庭で学習を進める
というような方法があります!
教育費は安ければ安いほど良いというわけではありませんが、教育費をかけ過ぎて生活全体の満足度が落ちてしまったり、結局将来の選択肢が狭まってしまったら元も子もありません。
絞れるところは絞って、賢くいきたいですね!
⑧【補助!】学費補助や奨学金は?
節約に加えて、補助はどんな種類があるのでしょうか。
入学後には学校から案内がありますが、あらかじめ知っておくことでシミュレーションできます。
●中学生がもらえる補助(令和5年度現在)
No. | エリア | 名称 | 年額 | 制限 | 年収目安 | 備考 | URL |
1 | 東京 | 私立中学校等授業料軽減助成金事業 | 10万 | あり | 約910万未満(扶養人数により異なる) | 都内在住であれば都の外の学校も対象 | 東京都私学財団掲載のPDF |
私立中は、補助はほとんどありません。
東京都の助成金、10万円のみが見つかりました。
学校から案内もありますが申請が必要なので要注意です!
●高校生がもらえる補助(令和5年度現在)
No. | エリア | 名称 | 年額 | 制限 | 年収目安 | 備考 | URL |
1 | 全国 | 高等学校等就学支援金 | 11.8~39.6万 | あり | 約1090万未満(扶養人数により異なる) | - | 文科省掲載のPDF |
2 | 東京 | 私立高等学校等授業料軽減助成金 | 5.9~35.6万 | あり | 約910万未満 | 1と合わせて45.6万円まで 都内に居住、都外の学校でも可 所得要件を超えている場合でも、扶養する 23 歳未満の子が 3人以上いる世帯は、年 5万 9,400円助成 | 東京都私学財団掲載のPDF |
3 | 神奈川 | 私立高等学校等授業料軽減助成金 | 6~33.7万 | あり | 約910万未満 | 1と合わせて45.6万円まで 神奈川県在住で、県内の私立高校等に通学する生徒 | 神奈川県掲載のPDF |
4 | 千葉 | 授業料減免制度 | 12.7~授業料全額 | あり | 約750万未満 | 1と合わせて授業料の全額または一部(2/3)を補助 千葉県在住で、県内の私立高校等に通学する生徒 | 千葉県私⽴中学⾼等学校協会のHP |
5 | 埼玉 | 授業料等軽減補助 | 26.8~授業料全額 | あり | 約720万未満 | 1と合わせて補助 埼玉県在住で、県内の私立高校等に通学する生徒 | 埼玉県私立中学高等学校協会のHP |
高校の授業料実質無償化は「国(就学支援金)」+「各都道府県(授業料軽減助成金)」の2階建ての制度になっています。
下記の点が注意です!
- 各都道府県によって年収制限に差がある
- 神奈川、千葉、埼玉は県外の学校の通学に対して補助をしていない
- 授業料に対する補助なので、授業料以外の施設費や教材費は補助をしていない
- 学校経由、財団経由、など申請方法が違う場合がある
また、主な助成は上記の通りですが、各自治体には家計の急変による支援制度があります。入学後も何があるかわかりませんので覚えておきたいですね。
また、給付型奨学金(返済の必要のない奨学金)も実は多くの種類があります。まとめているサイトがありましたので下記にリンクを貼り付けておきます。
参照:
私立中高一貫校の学費支援制度 : https://www.schoolnetwork.jp/jhs/maniax/2023-08/index.php
まとめ~中学受験っていくらかかるの?
- 小1~高3の学費を試算してみると、約1,500万円
- 受験料は1校平均2.8万円、入学金の相場は30万円
- 東京都私学の初年度納入額、中央値は129万円
- 東京都私学の6年間目安、中央値は578万円
- 中学受験の3年間の塾費用は約269万円
- 私立中の助成はほぼなし
- 私立高の助成は各都道府県にあり(年収制限あり)
こうして小学校~高校の教育費をまとめてみると、子供の教育って、なんてたくさんの人の手が掛かっているのだろうと改めて考えさせられました。人の手が掛かるということは、そこには誰かのお給料が発生しているということ。
自分の生活のことを考えれば、なんて教育費って高いのだろうといつも感じてしまいますが、よく考えて選び、「ありがとう」という気持ちを持ってお支払いをしていきたいなと思いました。
みなさんは教育費についてどのような考えをお持ちでしょうか。今回の投稿がみなさまの受験、子育てのご参考になりましたら、これ以上嬉しいことはありません。
長文になりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!