3分でわかる中学受験
「入試」「学校」「人数」「塾」「費用」の5点についてです。
3分でわかる中学受験では、中学受験の仕組みをわかりやすく解説します!
前回投稿の中学受験ロードマップでは、各学年の特徴を時系列で説明しましたが、今回は俯瞰的な視点からの解説になります。
ゆるりとお楽しみください。
【中学受験の基本①】中学受験の入試はいつあるの?
◆概要
埼玉:1/10~約1週間
関西:1月第2or3土曜日
~約1週間
千葉:1/20~数日間
東京・神奈川:2/1~約5日
中学受験の入試は埼玉県からスタートします。
埼玉県の入試は、千葉や東京・神奈川の入試の前の練習として受ける子も多く、埼玉県の栄東中学校は毎年たくさんの受験生が集まることでも有名です。栄東中学校の2023年度の入試日はA日程が1/10と1/11、B日程が1/16、東大特待が1/12でした。
その後、関西の入試がスタート。首都圏目線で行くと、栄東の後に、灘に腕試しに行く子もいます。2日間に分けて行われる灘の入試は、2023年度は1/14と1/15でした。
1月後半に千葉の入試が始まります。千葉のトップ校、渋谷教育学園幕張(通称、渋幕)も毎年多くの受験者を集めます。渋幕は1月と2月に受験日があり、2023年度の1月は1/22、2月は2/2午前でした。また、中堅校の到達目安として受験する子も多い立教新座は2023年度は1/25でした。
2月から東京、神奈川の入試がおよそ5日間という短い期間に集中的に行われます。2月1日以降は午前も午後も入試が行われ、かなり日程が詰まってきます。
2月1日午前は御三家(開成・麻布・武蔵)、女子御三家(桜蔭・女子学院・雙葉)といった、第一志望として考えられることが多い学校の入試日です。
2月2日午前は、男子だと神奈川御三家の聖光学院、栄光学園の入試日です。渋谷教育学園渋谷(通称、渋渋)、渋幕といった学校の2回目の入試も行われています。
2月3日午前は、公立(国立・都立)の入試日です。筑波大学附属駒場、筑波大学附属、都立小石川、お茶の水女子大学附属といった有名校が並びます。私立の入試も並行して行われています。
2月4日以降の入試は、2回目・3回目の実施が多く募集人数も少なく、高倍率になります。ほぼ2月5日までに中学受験の入試日程は終了します。
次男は2023年度入試で、1月の埼玉入試、2月1日からの3日間で4校受験しましたが、実際体験してみても、嵐のようなスケジュールでした!家族の協力なしには乗り切ることができなかったと思います。
【中学受験の基本②】中学受験の学校はどんな種類があるの?
中学受験で受験する学校は、ほぼ中高一貫校です。
中高一貫校は、中学と高校が一貫した教育カリキュラムを持ち、教育活動を行なっている学校のことです。大学受験までの6年間一貫した教育を受けられる点に中学受験のメリットを感じるご家庭も多いです。
学校を分類する4つの観点を紹介します。
【分類①】私立高と公立校
私立校も公立校もどちらもありますが、私立校のほうが学校数は多いです。
公立校には、都立、県立、国立、市立、区立といった種類があります。
公立の中高一貫校は、公立と同程度の学費で中高一貫校のカリキュラムを受けられることが大きな魅力です。一方で、施設や教員の配置の面ではどうしても私立には及ばない点もあります。
【分類②】完全中高一貫校と高校募集ありの学校
完全中高一貫校と呼ばれるのは、高校からの募集がない学校のことです。上位校に特に多く、高校募集を停止し、完全中高一貫校となる学校も増えています。
次男の受験でも第一志望と第二志望は完全中高一貫校でした。
高校募集ありの学校で、中学・高校の募集人数の比率は学校によって違います。たとえば開成は(中学300、高校100)、筑駒は(中学120、高校40)となっています。
学年としての連帯感は完全中高一貫校のほうが高いな、と思いますが、一方で高校入試を実施している学校は優秀な子を高校でも集めて、中学からの連絡生にも、高校からの入学生にもどんどん刺激を与えてくれる精力的な学校が多いように思います。
【分類③】進学校と大学付属校
大学受験を前提とする進学校と、大学まで内部進学の大学付属校に分けられます。
国立は附属という名前でも内部進学は基本的にありません(筑駒や筑附)。
また、早稲田のように早稲田の内部進学が半分、他大学への進学が半分といった半付属校もあります。
長男、次男は国公立大学への進学を視野に入れて進学校を選択しました。中学受験の段階で大学進学までの希望がはっきり見えている子はかなり少ないんじゃないかなと思います。中学受験の学校選択の難しい点です。
【分類④】男子校、女子校、共学校
伝統校には、男子/女子校が多いです。特に都内と神奈川あたりは顕著。
一方で、渋幕や渋渋といった比較的新しい学校や、公立の多くの学校は共学校です。
広尾学園のように、女子校から共学校に変わった学校もあります。
また、國學院大學久我山のように、授業は別々、生徒会活動や部活は共同の別学校という形態もあります。
【中学受験の基本③】中学受験はどのくらいの人数が受験しているの?
首都圏では約17%。これは首都圏の小学生5人~6人に1人の計算です。
地域により差があり、千代田、中央、港、新宿、文京、目黒、世田谷、渋谷区は35%以上(東京都教育委員会調査の令和3年度公立学校統計調査報告書より)、と非常に高い地域もあります。
次男の学校は、令和4年度の学事報告によると約30%でした。比較的高い地域に入りそうですね!
エリア全体だとこんな感じです。
【令和3年度私立国立進学率】
東京都教育委員会, ”令和3年度公立学校統計調査報告書”, https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/administration/statistics_and_research/career_report/report2022.html
千代田区39%
中央区 39%
港区 42%
新宿区 36%
文京区 51%
台東区 32%
墨田区 17%
江東区 29%
品川区 32%
目黒区 41%
大田区 23%
世田谷区35%
渋谷区 36%
中野区 28%
杉並区 32%
豊島区 34%
北区 24%
荒川区 20%
板橋区 17%
練馬区 18%
足立区 13%
葛飾区 14%
江戸川区10%
八王子市8%
立川市 10%
武蔵野市29%
三鷹市 19%
青梅市 3%
府中市 12%
昭島市 8%
調布市 17%
町田市 7%
小金井市17%
小平市 13%
日野市 8%
東村山市6%
国分寺市16%
国立市 10%
狛江市 15%
東大和市5%
清瀬市 6%
東久留米市5%
武蔵村山市3%
多摩市 13%
稲城市 16%
あきる野市5%
西東京市13%
【中学受験の基本④】中学受験ではいつから塾に通うの?
入塾は4年生がメジャーですが5、6年からの子もいれば、1年生から通っている子もいます。
4年がメジャーなのは集団塾のカリキュラムは4~6年生でワンセットのためです。
また、4年生になると、塾の定員が増えることが多いので、増えるタイミングを待っている人もいます。
わが家の場合は3年、4年、5年とそれぞれ入塾時期が違いましたが一長一短でした。
3年から始めた場合は、メリットは早くに学習習慣が付いたこと。デメリットは当然ですが費用の発生が早かったということが挙げられます。
5年から始めた場合は、メリットはそれまで別の習い事に打ち込め、費用が抑えられました。デメリットは一部の教科で定着が甘い点があった。ということが挙げられます。
塾の学年は2月からが新学年のため、4年生スタートの場合は、小学校3年生の2月から通塾が始まります。サピックスの場合は、確か3年生の9月頃に入塾テストの申込みをし、11月にテストを受けて結果をもらい、2月から通塾を開始しました。
【中学受験の基本⑤】中学受験ではどのくらいの教育費がかかるの?
およその金額(2023年時点調べ)ですが、
- 4〜6年生塾費用 約280万円
- 受験料と入学金 約45万円
- 私立中高の授業料諸経費6年間 約600万円(学校差が大きいです)
塾代と私立中の授業料分、正直教育費は高校受験より高くなります。ただ、安ければ安いほど良いというわけでもないと思いますので、よく家庭で方針を話し合うことが大事だと思います。
まとめ~3分でわかる中学受験
- 入試:1月~2月1週目
- 学校:私立or公立、完全中高一貫校、進学校or付属校、女子男子校or共学
- 人数:首都圏では約19%、およそ5人に1人
- 通塾:4年生入塾がメジャーだが5年・6年スタートの子もいる
- 教育費:塾・受験料・6年間私立で900万~950万目安
大切なお子様の受験の少しでもお役に立てば幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました。